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札幌市
6月5〜6日
B-Session2004開幕戦が6月5、6日の両日に札幌の秀岳荘白石店で、開催された。B-Session開幕戦の北海道開催は恒例となった観がある。
男子は進境著しい渡辺数馬(写真:右下)が宮保雄一らを抑えて優勝。、女子は以前からその実力を噂されていた外河有紀子(同右上)。ともに初優勝、特に外川はB-Session初出場にして優勝をさらった。
以下は、秀岳荘のスタッフ 奥野充典氏のリポート。
B-Session北海道も今年で4回目を迎え、参加者数もシリーズポイント外のミドル、ファンクラスを入れ96名となり、過去最高となりました。
大会に先立つ事4日前、これからセッター陣やスタッフが寝泊りするマンションに、大阪の黒住君(樹っちゃん)とその前腕で「北のネルス」といわれる小田君(おだーん)がやってきた。時間はもう夜中の11時。はじめてのオコツナイでのクライミングに満足気な樹っちゃんと僕らは、さっそくビールを飲みながら最初の夜更かしとなる。
セット初日。連日の夜更かしで遅刻気味の我々より先に、小沢さん(オザーン)が白石店で待っていた。チーフの飯山さんも午後には到着し、おのおの壁にホールドをつけていく。
そして秀岳荘の営業が終わる8時ごろより、セッターセッション開始。初日のメインディシュは、樹っちゃんのセットした、テクニックのスローパーで抑えこんでのランジである。後日、平山さん(ユージ)がボルト穴を使って一撃するのだが、この日は誰も(あえて?)使おうとせず打ち込み。あっさりと時計の針は12時をすぎていた。寝たのは2時すぎ……。
セット2日目の金曜日、またも遅刻気味の我々に、秀岳荘からいつ来るのかと催促の電話が入る。B-Sessionと同時開催で「エルニーニョへの道」スライドショーをやることになっているユージがお待ちかねだった。実は、ついでに課題を2本ぐらい作ってもらうという虫のいいお願いをしていたのですが、気がつけばいっぱい作ってくれていた。感謝です――というか、のりのりで楽しんでましたね。男子決勝のはじめの案はすご過ぎて誰もついていけず、妥協してかなり短くしてもらった。
そしてもはや恒例となった感もある、オザーンと、おだーんの打ち込み。他の人達には一足先に帰ってもらい、裸の男たちの戦いは果てしなく続く。やっぱり今年も空が明るくなってきた。でも、今からなら1時間は寝れる。さぁ寝とこ!
スタッフ全員寝不足の中、いよいよ本番。5日はミドルクラス(男子のみ)とファンクラス(男女混合)。予選で特に盛りあがったのがオザーンの作った「ルパン」という課題。課題に取りつくとスポットライトが当たり、ちょっと恥ずかしい(?)のだが、こういう競技らしくない遊び心が選手達をリラックスさせてくれていた。そして4つの課題をベルトコンベア式でトライする決勝。ファンクラスは2課題を完登した塩飽宏輔、ミドルは3課題完登の赤桐知宏が優勝。
翌6日の男子オープンは32名中12名が本州勢で、彼らにどれだけ食い下がれるかが地元勢のひとつの目標になっている。予選10課題の内、昨シリーズ年間チャンプの宮保雄一と、このところ急成長と評判の渡辺数馬が9完登。山崎岳彦、田村高志、伊藤達也の本州勢と、地元の渡辺拓生が8完登で続く。一方、女子オープンはこれでも過去最多の13名が参加。注目のB-Session初参加、外河有紀子と、昨シリーズ全戦参加の田井千香が9完登でトップ。本州勢石橋文子と、地元の萩原亜咲、高橋恵が8完登で並んで決勝進出。
決勝は4課題で行われ、完登数、完登価値(いわゆる偏差値)についで、ルートのディフィカルティのように手数での順位にて成績を決めました。K点で差をつけようとするとどうしても課題が長くなってしまうので、短い課題で順位をつけるにはいいやり方だ。ただし、集計はちと面倒。男子の方で焦りのあまり、やってはいけない集計ミスをしてしまったが、これは集計用紙を工夫すれば済みそうなので、次回は気を付けます。
さて女子決勝の勝負の行方は、田井が1、2課題を続けて完登してリードするが、本命外河が2課題目、そして誰ものぼれなかった4課題目を唯一完登して優勝。特に4課題目は終了点ホールドを間違えてしまい幻のオンサイトとなったものを、きっちりと登り直す余力を十分残したものだった。3位は逆転で地元高橋。クライミング歴は実質2年ほどの彼女、今後の成長が楽しみだ。
続いて男子決勝。競技順の関係で次々完登していく渡辺数馬を、宮保が追う展開となった。3課題目も完登した渡辺に対し、宮保はこれを逃し、そして運命の4課題目。ユージ作のこの課題、短くなったとはいえ空中ブランコのような怖いランジからルーフを下っていく厳しいものだが、渡辺はこれも完登。優勝を誰にでもわかる形で見事に決めてくれた。先にトライしていた渡辺の完登は、宮保にもわかっていたはずだが、それを気にすることなく、宮保も魂の登りで完登。
3位以下は1完登で4人が並んだが、わずかの差で地元渡辺拓生が、B―Session北海道としては第1回大会の阿部雅史に次ぐ二人目の表彰台となった。コンペに関しては常に道内でトップクラスの渡辺拓生だが、本州勢に混ってもその実力が本物であることを証明した。
さて、気がつけばB―Session北海道も今年で4回目。だんだん慣れて来たとはいえ、参加者も第1回に比べほぼ2倍になり、大変さも増しています。それでも今年のセッター、スタッフからは「来年は五周年ですね。また呼んで下さい。」と、お世辞でも言ってもらえてホっとしています。今年もやっぱり夜更かし続きでみんな疲れていたはずですが、うちのスタッフはいつも明るく、そして何よりクライミングが大好きなです。その思いが参加した選手の皆さんにもにうまく伝わってくれていたとしたら嬉しいのですが。
協賛
アシックス、ハミックス、ラフマ・ミレー、ゴールトウィン、キャラバン、クラックス、アスティー、シーデザイン、マジックマウンテン、KEM、サロモン、ヴァーテックス、USAMIX、パタゴニア、デサント、エアモンテ、ロストアロー、ミヤコスポーツ、A&F、ネルソンクライミングジャパン、コロンビア、ミズノ、味の素、インターテック、allez (順不同) |
写真提供 : 秀岳荘、北山 真