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* B-Session2006第2戦が、1月3日に船橋ロッキーで開催された。船橋ロッキーでのB-Session開催は2002年以来のことである。今回の特徴は何と言っても正月三が日と言う前代未聞の日程。事前に主催者から出された異例とも言えるアピールには、主催者の不安がうかがわれる。だがアピールにも謳われていたように、地方からの参加者にはかえって出場しやすい面もあるのは確かで、ふたをあけてみれば北海道の若手が揃って出場するなど充分な数の参加者を集めての開催となった。男女合わせて30数名は少ないと言う向きもあるかもしれないが、会場の広さを考えれば適正な人数だ。参加者数の問題は、前回のTウォールでも言えることだが、ジムでの開催の一つの限界だろう。
* 今回の特徴のもうひとつは、アメリカのボルダーコンペの採点方法(SEND FEST方式)の採用だ。これは全体の進行は、UIAAと同じいわゆるベルトコンベアー。成績評価がアテンプト数ではなく、各ホールドにポイントを表示し、各課題で保持した最高点のホールドのポイントを合計すると言うもの。もちろん完登が最高得点で(1000ポイント)、フラッシュすれば+100ポイントとなる(本来は、2アテンプト目以降に最初のアテンプトの高度を超えなかった場合の減点があるそうだが、今回はそれはおこなっていない)。リードの評価に近い考え方だが、保持のみで+/-は無い。この方式は、完登できなければ、仮にそれが終了点を片手で保持したが両手添えができなかった場合も、ボーナスポイントから一手も出なかった場合も同じというUIAAの評価法を改善しようとするものだろう。
* ポイントがホールドに表示されている、と言うことは手順を表示していることでもある。逆に言うと、手順が読めてもそう簡単に登れないような難しい課題でないとこの方式は活きない(リードが完登はただ一人でないと困るのと同じ)。UIAAがある程度の人数が評価が登れることを前提にしているのに対し、こちらは少数の完登者しか出ないような課題で勝負させるという発想だ。UIAAとSEND FEST、どちらが優れていると即断できるようなものではないが、今回見たところでは、こちらはこちらで問題が無いわけではないように思う。完登――特にフラッシュの価値をもっと高く評価してよいように思われる。またこれは課題設定上の問題なのだが、最終ホールドの片手保持から両手を添えるのが厳しいような課題では、最終ホールドの片手保持にもポイントを与えた方が順位が分かれやすいのではないか?と言う気がした。ともあれ、ボルダーの競技方式は、まだまだ発展途上。いろいろな方法が提案され、試されるのは非常に良いことだ。
* さてリザルトだが、男子優勝は意外にもこれがB-Session初優勝という保科宏太郎、女子は第1戦に続き、今回も逆転で野口啓代が優勝。勝負強さを身につけてきた感じだ。以下、男子2位は高校生の清水淳、3位 岩崎大介。女子は2位 尾川智子、3位が高校生の萩原亜咲。その他、地元、そして各地の若手の活躍が目立つ。特に、2位の清水淳は第1戦では3位に入っており、この時点の年間ランキングはトップ。後半戦もこの調子で行けば年間優勝の可能性は高いだろう。