アクセス問題対応

日本には、明日登れなくなってもおかしくない岩場がたくさんあります。実際に、かつて多くのクライマーに愛されたいくつもの岩場が、今は誰も登ることが許されず、クライミングエリアとしての価値を失ってしまいました。
「アクセス問題」とは、クライマーがクライミングエリアに立ち入ることで起こる問題のこと。事故、地権者問題、地元住⺠とのトラブルなど内容はさまざまですが、岩場を失うきっかけは、クライマーのささいな行動が原因となることも少なくありません。

JFAでは、アクセス問題が岩場の閉鎖に発展することを避けるため、周辺住⺠との交渉や行政への働きかけ、地権者調査、クライマーへの情報提供など、ローカルと連携をとって問題解決のための対応を行ないます。

アクセス問題はなぜ起きる?

「何度もトライを繰り返し、次こそ絶対に登ると決めている」
「何年もがんばって、ようやく憧れのあの課題をトライできる実力がついてきた」
アクセス問題が原因で登攀禁止になるということは、そんな思い入れのある課題や岩場が、ある日突然手の届かないものになってしまうということです。
なぜそのような悲しいことが起こるのか、防ぐことはできないのかを、改めて考えてみましょう。

忘れてはいけない大前提。「岩はクライマーのものではない!」

⽇本のほとんどの岩場は、個人や国、自治体など、誰かしらの所有地です。近隣の住民にとっては生活エリアであり、他の目的でそこを訪れる人にとって、クライマーだけが優先される理由は何一つありません。土地の取得や自治体との提携など、クライミングのための場所として明確に定義されたエリアも存在はしますが、それでさえ、何かしらの原因でクライミングができなくなる可能性がゼロになることはありません。

アクセス問題発生の5つの原因

1.クライマーのマナー低下

もっとも残念で、そして最大の原因が、岩場を利用するクライマー自身がアクセス問題の原因になるケースです。車のとめ方やゴミの処理、騒音やトイレ問題など、一人ぐらいやっても大丈夫だろうという考えから生まれる些細な行動が、岩場を奪う一番大きな原因であることはまぎれもない事実です。

解決の方法はとてもシンプル。少し意識を改めるだけで、岩場を失うリスクを大きく減らすことができるのです。

1.クライマーのマナー低下
2.事故の多発

2.事故の多発

クライミングである以上、事故を起こす可能性をゼロにすることはできません。しかし、一度事故が発生すると、本人やパートナー、周辺のクライマーに迷惑をかけるばかりか、土地の所有者や近隣の住民にも不安を与え、それまで認められていたクライミングが、危険行為として排除されることに繋がりかねません。

もちろん誰も事故を望んでいないし、自然災害や落石など、自分では避けられないこともあるかもしれません。それでも、事故の可能性を少しでも減らすための手間や努力を惜しまないことを、あきらめず続けていかなければなりません。

3.地権者や管理者の変化

私有地の相続や売却、自治体の管轄や担当者の変更によって、それまで許可されていたクライミングが禁止となることもあります。実際には「正式に許可は出せないが事故や問題が起きなければ特に禁止はしない」という判断で登れている、いわゆるグレーゾーンの岩場も少なくはなく、その時々の窓口の見解により登攀禁止になることも充分に考えられます。

4.来訪者の急激な増加

クライミング人口の増加やエリアの公表に伴い、大きなトラブルが発生していなくても、エリアを閉じるという判断に繋がることもあります。クライマーの来訪が増えること自体が、近隣住民や関係者にとって負担となることが考えられます。クライマーが訪れることで迷惑をかける要因を少しでも減らす努力をすることに加え、近隣住民に会ったときにあいさつをする、清掃活動などで地域と関わりを持つ、エリア周辺の商店や施設を利用しるなどして、日ごろからクライマーの存在を知ってもらい、愛される存在になることが、エリア存続にとってプラスに働くかもしれません。

5.そもそも登ってよい場所ではなかった

現在JFAでは、エリアの新規開拓やリボルトを行なう際、事前に所有者や管理者を確認しアクセス状況をクリアにすることを基本条件と考えていますが、クライミングが行われるようになった当時はその前例もルールもありませんでした。課題を設定したエリアや岩が、文化財保護法や自然公園保護法などの法律によって保護されていたり、地元の人の信仰の対象だったり、そもそも登れない場所だったことが、今になってわかることがあります。

このように、不可抗力ともいえる理由もありますが、アクセス問題の原因の多くは、クライマーの努力で減らすことができるはずです。JFAでは、ローカルなどと連携し、発生したアクセス問題の解決に努めるとともに、多くのクライマーにアクセス問題を起こさないための意識を持っていただくための活動を行なっています。

失った岩場を取り戻すためにクライマーに何ができるのか ~アクセス解放の実例~

さまざま理由で登攀禁止になったエリアが、何も行動を起こさずに再び岩場として再開されることはありません。
ローカルを中心に多くのクライマーの努力のもと再開を果たした事例のいくつかをご紹介します。

DONATION ー 寄付する

日本の岩場を守るために、あなたの力を貸してください

JFAの活動を応援してくださるみなさまからの寄付が、
1本のボルトに、アプローチの安全に、エリア状況の改善につながります。