全国のアクセス問題エリア一覧

利用禁止になったエリア、危惧すべきエリアなど、全国の主なアクセス問題エリアを一覧にしました。これ以外にも利用禁止になっているエリアは全国に多数あり、たとえ今は表立った動きはなくとも、ほとんどの岩場は潜在的なアクセス問題を抱えているといっても過言ではありません。身近なエリアでのアクセス問題を考える上でも、各エリアの事情などの理解に努めてください。
※ここで記載されている情報や注意点等は、一覧として掲載のために簡略化したものです。実際にエリアに行かれる際は、エリア情報やローカルのウェブサイト、SNSなどから、最新の情報を得るようにしてください。また、新たな情報がある場合は JFA までお知らせください。

北海道

札幌 石山緑地

以前からボルダーとして登られてきたが、2016年5月より登攀禁止。


有珠ボルダー善光寺自然公園エリア

2020年12月、【15番ボルダー】を登っていたクライマーが有珠善光寺関係者から強い注意を受け、登攀禁止となる。開拓当時からエリアは国の土地であると認識されていたが、実際には善光寺から国が借りている土地であることが判明。結果として所有者に無断でボルダリングが行なわれてきたことになる。2015年にはすでに、善光寺境内は登攀禁止となっていたが、今回問題になった【15番ボルダー】は、境内の境界があやふやなままグレーゾーンとして登られていた。北海道フリークライミング協会が窓口となり、利用再開に向けた交渉をしているが、現時点での見通しはたっていない。注意を受けた当日は新型くコロナウイルス感染症対策で札幌市民に対して往来自粛が要請されていたことも影響したと思われる。


函館山南壁

クライミングが禁止されているわけではないが、函館市条例により、函館山の自然保護のため遊歩道(散策路)以外の立ち入りは認められていない。クライミングエリアに行くための散策路もないので、事故やトラブルを起こした場合の結果についてよく考えて行動する必要がある。


洞爺湖町 義経岩

地区の住民から度々注意を受けているエリア。以前野火が発生したことがあり、火の取り扱いについ細心の注意を払うよう、再三の申し渡しを受けている。くわえタバコを厳重に注意されたこともあるため、エリア周辺は基本禁煙と考えたほうがいい。岩場には、地域の方々がお祀りするご本尊の入るお堂(小屋)があり、お参りに来る方も多い。一部のルートはロワーダウンするとお堂の上に着地となるため、参拝者がいるときは取りつかないこと。エリアは谷の中にあり、大声で叫ぶと反響するため、雄叫びなどはも慎みたい。


山形・秋田

三崎海岸

2014 年にクライミング中にボルト破断が原因でグラウンドフォール事故が発生した。これを受け、古いボルトのままのルートのクライミングの自粛が呼びかけられている。現在、順次ケミカルボルトに打ち替えられているが、トライの際にはボルトの腐食状況などをよく確認し、グラウンドフォールにつながるような状況では、無理な突っ込みはせず、ナチュプロ等でのバックアップを心がける。


福島

矢地内の岩場

郡山の大槻公園内にあり、2009年3月に公園管理者より、崩落の危険性およびボルトなどによる景観の問題を理由に登攀禁止が告げられた。開拓当時とは管理機関が異なるようで、利用再開の見通しは立っていない。


栃木

外山の岩場

2007年12月に訪れたクライマーが、地権者の一人から注意を受け、入山を禁止される。理由としては、・岩場までの林道、及び岩場周辺は完全に私有地立ち入りを許可を出した覚えはない ・今までは黙認していたが、今年に入り岩場への入山者が急に増えていて大目に見ることはできない ・火事の心配、ゴミ・糞尿の問題、岩にボルトを打つこと、景観の問題、私道への車の乗り入れ等。
地権者が複数いるため、全員との交渉および承諾の取付けが難しく、また一部が世界遺産の東照宮の敷地に被っているという話もあり、その後の進展はない。


藤坂ロックガーデン

1970 年代後半から1980年にかけて、女体山のゲレンデや周囲でのボルダリングが行なわれてきたが、筑波山は山そのものが御神体であるため、チョーク跡などが問題となり、筑波山神社によって禁止の処置がとられた。


笠間ボルダー

笠間ボルダー(正式名称:笠間市佐白山公園)入り口にある大黒岩は、2017 年より完全に登攀禁止。大黒岩の脇には登攀禁止の看板が設置されている。岩は道路上にあり、不意のフォール時に車が通りかかると危険と氏が判断したため。以前より周辺住民などから「突然、岩登り中の人が道路側に転がり落ちてくることがある」、「道路に撮影用の三脚を立てて登っている」などの指摘があった。


古賀志山

2018 年9月、それまでクライマーが利用していた数ヵ所の駐車場とアプローチ入り口に有刺鉄線が張られ、各所に「古賀志林道愛護会」により「一般車両は、林道に駐車しないでください (対面車両及び緊急時の対処のため )」の看板が設置され、従来の駐車場は利用禁止となった。なお、瀧神社の祠前までは乗降等のための車両乗り入れは可能だが、絶対に駐車はしない事。


群馬


十石峠・バンビースパイヤー

エリアは大きく二つに分かれているが、メインエリアのバンビースパイヤー側は、入口に地元の人が汲みに来る湧水がある。クライミングエリアはそこより上に位置すること、また数年前に発生した滑落事故の再発を危惧した地権者により、2006 年に登攀禁止の看板が設置された。


川井ボルダー

地権者の意向により登攀禁止


石尾根(三の木戸)

2015年、山仕事をしていた地元の方から、入山を控えるようにクライマーが注意を受ける。その後開拓者に問い合わせたところ、開拓当初、地権者の承諾をとっていないことがわかったため、現在入山を自粛中。


子持山 獅子岩、屏風岩

渋川市指定の名勝、天然記念物。文化財保護法に抵触するのではないかとマスコミに報じられたが、群馬県庁の WEB サイトには「獅子岩の岩壁は、ロッククライミングする若者たちの人気スポット」などとも紹介もされており、一概にクライミングを否定しているわけでもなさそうだ。ただし、何かのトラブルがきっけで事態が大きく変わる可能性をはらんでいることを意識したい。


御前岩

長期にわたり登攀禁止だったエリアだが、JFAや地元有志クライマーによる活動や、その後設立されたローカル組織「奥多摩クライミング委員会」による地域の自治会への地道な働き懸け紙を結び、2017年、ついに岩場の再開にこぎつけた。


東京

障子岩

ボルトの老朽化がかなり進んでいるが、地権者からの許可が得られず、正式なクライミングの許可も得られてない状況。いつ抜けてもおかしくないボルトが多数あるので、利用に際しては細心の注意が必要


十里木ボルダー

エリアへのアプローチとして利用させてもらっていた隣接する温泉施設敷地内の通路が2018年2月に使用禁止に。クライマーによる長時間駐車や、河原下降路付近の路上駐車、温泉施設利用者の車両通行の妨げとるなどのトラブルた多発したため、温泉施設からのアプローチができなくなる。通路利用再開の見込みはない


天王岩

一部のクライマーによる駐車料金の未払い、規定の利用時間を過ぎても駐車場に戻らないなどのトラブルが多発し、2019年10月に、エリア向かいにある「秋川国際マス釣場」のクライマー利用ができなくなる。周辺の路肩や空き地などへの駐車も厳禁で、現状周辺に駐車可能な場所はない。このまま駐車や岩場利用マナーの悪化が進めば岩場そのものの利用もできなくなる可能性もある。


埼玉


女ガ岩

2008年7月、由緒ある岩へのボルトの打ち込みと、墜落事故の発生との理由により、地権者から全面的な登攀禁止が告げられた。


金毘羅岩

2011年4月、地元自治会から岩場情報を自身のウェブサイトに掲載していた個人に、岩場の利用禁止および情報の削除を求める要請があった。情報を受け、JFAが自治会の代表者とのコンタクトをとった結果、20年ほど前に開拓当初に、岩を登ることを承諾したが、近隣に住んでいないため、現在のような使用状況を想定していなかったとのこと。勝手に多数のボルトが打ち込まれて岩の形状が変わっていること、クライマーの大声が反響して近隣が騒音に迷惑していること、ご神体である金毘羅岩の神事に支障がでていること、不法駐車により地元の交通の妨げになっていることなどが理由として挙げられた。


東吾野

長期に渡る無断使用を理由に地権者より登攀禁止


小岩井サンセットロック

板が張られ、一部のボルトハンガーが撤去された。20 年にわたり地権者であるお寺から苦情が出たことはなく、元の地権者(後にお寺に土地を寄付した)は友好的であったため、理由については不明。


多峯主山

2011年12月、地権者名でクライミング禁止の看板が設置された。理由など詳細は不明


聖人岩

2019年3月にグラウンドフォールによる死亡事故が発生し、その後の地権者とコンタクトの結果、「町と協議して、岩場の利用を禁止する方向で検討したい」との意向を確認。その後現在までに、地権者からの連絡はない。
地権者は自分の土地でクライミングが行なわれていたことをまったく知らず、そこで起こった死亡事故に非常に困惑されていたため、現在JFAから利用禁止に関する回答を督促するのを控えている。2019年9月にボルト破断事故があったが、地権者の了承が得られない状況でリボルト作業もできず、クライミングを自粛せざるを得ない状況にある。


北川

岩場の利用に関して、岩場下の住民、現自治会役員、地権者と取り決めたルールを遵守のこと。クライマーの叫び声などが響きやすいく、近隣住民から苦情が出ている。


天覧山

フリークライミングの初期から利用されてきたエリアだが、2011 年11月に、利用者のマナーなどに対する地元からの抗議により、埼玉県山岳連盟から利用自粛の呼びかけが行なわれた。その後、地権者と県岳連の話し合いで利用に関するルールを整備し、登録制にすることで2012年1月に利用が再開された


河又

2009年11月、事故の発生や来訪者の増加を理由に、立入禁止の立て札が設置され、岩場は事実上の登攀禁止に。クライマーによる長時間の駐車、地域の方への挨拶、岩場で奇声を発する、火の取り扱いなどのマナ-の悪さが、地元から問題視されたことが原因だった。
その後、JFAが地権者や地元自治会などと交渉を重ね、事故の発生防止、駐車場の取り決めを行ない、2010 年に利用が再開。今後マナーが悪化すれば再度登攀禁止の可能性もある。


神奈川

湯河原幕岩

2008年1月、てんとう虫ロックにおいて、岩場からの落石が遊歩道沿いの木製ベンチに当たる事故が発生。けが人はいなかったが、湯河原町は翌日から梅林公園内入園者の安全を確保するため、幕山公園の一部を立入禁止区域に指定した。これにより、てんとうむしロックエリアからニューエリアを含む正面壁エリアまでの立ち入りそのものが禁止された。
その後、有志クライマーとJFAによる湯河原町側との協議の結果、2013年10月、正面壁エリアの利用が再開。しかし、その後も死亡事故の発生などをうけ、役場と消防より再発防止の申し入れが出されている。利用時は定められたルールを遵守のこと。トラブルの発生で再度入山禁止措置が取られる可能性は少なくない。


鷹取山

1980年頃に発生した一般人の死亡事故により、行政から安全上の問題を理由に禁止の処置がとられた。その後、クライマー有志により鷹取山安全登山協議会が結成され、事前申し込みによる登録制という形に落ち着き、1983 年頃から利用が再開された。


広沢寺

古くからのゲレンデで地権者も承諾しているが、林道への駐車、ゴミの投棄、伐採など、クライマーのマナーの悪さを問題として、たびたび地権者から禁止の話が持ち上がっている。その都度クライマー有志、労山、岳連などが問題の対応にあたっている。


山梨

瑞牆ボルダー・「赤鼠岩」「七岩」

「みずがき山森の農園キャンプ場」管理地のため登攀禁止。管理地内へは、同キャンプ場利用者以外、車での通り抜け、歩行も含め一切の立ち入りが禁止区域となる。


昇仙峡

国指定の特別名勝であるため登攀禁止。2007年の鬼岩「天然記念物くさび報道」の際に取り上げられ、問題視された。岩の数も多く、どの岩が対象にあたるのかなど不明


兜岩

2012 年1月、クライマーの過失による山火事が発生。この事態を受け、地元の開拓者から利用の自粛が呼びかけられ、ネット上に掲載されていたエリア情報も削除された。その後、自粛の呼びかけは 2012 年シーズンいっぱいと報じられたが、以降の利用については「各自の判断で」となっている。各自の責任において利用される場合、火気厳禁であることは言うまでもない


長野

天龍峡(飯田市)

古くからクライミングの対象でもあったが、2005年4月、国指定の文化財であることを理由に、地元教育委員会から「クライミング活動」の自粛要請が下る。
東尋坊は、新田次郎の小説「栄光の岩壁」にも登場し、戦前から岩登りの練習場として広く知られており、近年は、地元協会や福井岳連を中心となってルート整備を行ない、初・中級者のフリークライミングトレーニングや、遭難救助訓練や中高年登山者の岩場歩きの講習会場にも利用されていた。また、この地域一帯は越前海岸国定公園区域内であることから、自然景観や環境保全に充分配慮し、定期的な清掃活動や、老朽化や腐食したボルト類の撤去なども実施していた。他にも地元観光協会や土産品業者との関係構築にも努めるなど、環境保全に精一杯協力する活動を重ねてきていたため、地元クライマーから納得できないとの声もあったが、福井県スポーツクライミング協会は行政からの要望を受け、自粛という形で呼びかけられた。その後要請が解除されたという話もないため、クライミング可能にはなっていないと思われる。


静岡


西伊豆・雲見烏帽子山

2016 年3月に発生した死亡事故の後、烏帽子山・雲見浅間神社の宮司と氏子総代の話し合いによって、烏帽子山におけるロッククライミングの禁止が決定。参道の入口にはロッククライミング禁止の看板が設置されている。


伊豆・城ヶ崎海岸

2009年2月、クライミング中の事故が連日発生したのを受けて、城ヶ崎でのクライミングが行政や警察、消防の間で問題となり、4月には県、市、警察、消防による現地立ち会い調査がおこなわれた。JFAが行政と協議し、対応策と注意の呼びかけを行ない、岩場の利用が継続されている状況。登攀禁止と隣り合わせの岩場であることをしっかり認識し、各エリアの利用ルールを遵守してほしい。


愛知

鳳来(岡崎市教育林)

2000年、地権者である岡崎市によって、岡崎市教育林への立入禁止の看板が設置された。有志によって結成された「鳳来の岩場を愛するクライマーの会」が入山自粛を呼びかけ、その後会による自粛は解除されたが、地権者の意向は変わらず、実質的に教育林にあるエリア(小屋裏、影の大物など)は自由に登れる状態にない。


鳳来・乳岩

2016 年 7 月にボルト問題で全国的に大きく報道されたが、かなり以前より登攀禁止になっており、現在も登攀禁止。


石巻山

石巻神社の御神体へのボルトやハーケンで損壊、樹木の伐採、除草剤散布、ゴミ、排便の放置、宿泊施設横の駐車場での幕営等による地元からの反感、天然記念物の植物が、石灰岩のクラックに植生していて、クライミング行為そのものが植生を侵していることが問題となり、2006 年1月以降、登攀禁止。


豊田の岩場 百間・百間楽園・空

2019年3月25日、豊田市栃本町、冷田町にある百間、百間楽園、天空の3エリアが、地域自治体の要請により、登攀禁止。その後、各種利用規約の設定などを経て、2000年0月より利用再開となっているが、ほかのエリアも含め、利用規約の順守やマナーの徹底が、エリア継続の必須条件となっている。


岐阜

鬼岩公園

2016年6月「天然記念物の岩にクサビ」と大きく報道された結果、ルートエリアが登攀禁止に。問題の発端となったのは、約30年前に発表されたルートの「リボルト」だが、リボルトを実施したクライマーが書類送検されるという事態に進展した。ボルダーエリアに関しても登攀自粛が呼びかけられている。その後、2018年3月に、FAが事件の発端となったボルト 2 本を含む総計 28 本のボルトを撤去。利用再開の見通しはまったく立っていない。


三重


香落渓MCの岩場

2007年頃から初歩的なミスによる事故が多発し地元で騒ぎになる。この事態を重く見た地元クライマー有志によって、十分な安全管理を求める提言がなされた。2010年6月、水資源機構事務所によりアプローチに立入禁止の看板が設置される。
この事態を受て、地元有志が情報を収集した結果、水資源機構が特定の個人や団体に対して管理区域への立入を許可することはないこと、岩場は多のの地権者に分かれていてすべてを特定できないこと、別のアプローチを整備するにも地権者が分からないこと、地権者と地上権者が異なることなど、この岩場が極めて複雑な状態にあることが判明。水資源機構からの許可の可能性もないことから、解決の糸口はまったくつかめていない


楯ヶ崎

2018年、熊野市教育委員会よりJFA に「天然記念物である楯ヶ崎にクサビのようなものがあるので、確認のうえ撤去してほしい」との依頼があり、以降、楯ヶ崎は登攀禁止。禁止対象は楯ヶ崎のみで、周辺の岩やボルダーは従来通り登ることができる。 同じく、県の天然記念物「オオニグラ」にも多数のボルトが打たれているということがわかり、今後 JFA が撤去に協力する予定である。


和歌山


白崎海岸

白崎海岸は和歌山県の小さな半島にあり、海岸線は県立自然公園の指摘を受けていたが、陸部はセメント原料を採掘した鉱山跡のまま放置されていた。1985 年あたりから開拓が始まり、海岸線を中心に数十ルートが開かれたが、観光客が鉱山跡の穴に落ちて死亡するなどの事故が発生。海岸エリアへの立ち入りが制限されたが、クライマーと釣り人はなしくずし的に出入りしていた。しかし、1996 年にダイビングハウスが開園し、施設管理者が常駐するようになってからは、園路以外の場所に立ち入ることが監視されるようになり、実質的にクライミング禁止となっている。


奈良

柏木

事故や地元トラブルをきっかけに、2008年に登攀禁止となっていたが、2014年クライマー有志による「川上村の自然を愛する会」により、村内の吉野川右岸の崖に彫られた記念碑の清掃・再塗装作業に協力する活動をきっかけに、利用再開への一歩が動き出す。その後、岩場のある地区と登攀に関する協定書も取り交わされ、2016 年、大半の支点のリボルトを実施し、10月に再公開となった。
利用ルールを遵守すること。


兵庫

加西市 古法華の岩場

グランドフォール事故によるヘリコプターでの搬送、エリア内でのテント泊、火の後始末からの火災、ゴミの持ち帰り不徹底、 駐車場横の寺への賽銭をしない等の理由により、地域により立ち入りを制限された。


大野山

かねてより地域との交流を深めてきていた地元クライマーが、地元森林組合の許可の元、1999年頃から開拓を開始。この開拓ではボルトなどを打たないことを原則とし、主にトップロープもしくはボルダリングで登られ、森林ボランティア団体と連携して、ハイキング道の整備をするなど、地元と良好な関係を継続していた。ところが、2005年頃から別の山岳会が組合の許可や関係者の承諾を得ずに開拓を開始。多数のボルトを打ち、周辺の伐採や取りつきにルート名をペイントするなどしたため、状況を知った地権者と管理組合によってエリアは直ちに立入禁止となり、一時は損害賠償請求の訴訟も検討される事態となった。その後、地権者、管理組合、先の開拓者、当該の開拓者で話し合いが行なわれ、山岳会側の謝罪とボルトの撤去、ペイントの消去などを約束することで自体が終息。利用再開となった


北山公園

ボルダリングエリアとして日本で最も長い歴史を持つ北山公園だが、2006年1月に管理者である森林事務所から「岩石への損傷や岩登り等の行動はしないように」との要請と看板の設置があった。市民からの「北山公園で岩に登っている者がいる。岩に傷を付けるのでやめさせて欲しい」という陳情に対応したもの。これを受けて地元クライマーは利用を自粛するとともに、兵庫県山岳連盟を中心に利用再開に向けて管理者との交渉を行なった。最終的には、利用ルールやマナーの順守を約束し、森林事務所の理解を得て、翌月に利用再開となった。


こうもり谷

無断入山での開拓、ゴミの投棄、部外者への不安感、駐車のトラブルなど、度重なるクライマーのマナー違反が原因で、2001 年に地権者により立入禁止の措置が取られる。地権者と地元住民の怒りは相当なものだったが、常連クライマーであった U 氏の地道な活動により、登録制および厳格な利用ルールの徹底という形で地元や地権者との折り合いがつき、利用が再開された。
この再開は、地区の一軒一軒を訪ねて歩き、山を利用する責任として地元消防団への入団のお願いを続け、ついには異例の地域外からの入団を果たすなどの献身的な活動によって、U 氏がすべての責任を負うことを地権者と約束することで実現したものである。現在、利用者は取り決めを厳格に守り、地元からの信用を得ているが、利用希望者が増えた場合の対応や、U 氏が活動から引退した後の口径などの問題もあり、現状は非常に危ういバランスの上にある。将来的な見通しが立たない状況に、JFA としても問題解決の協力を申し入れているものの、現在のところ進展はない。


岡山

備中・学力石エリア

アプローチ入り口に立ち入り禁止の看板があり、現在クライミングは禁止状態


岡山 岩屋

2008年頃に開拓が始まり、2010年頃までは地元クライマーだけが知る非公開エリアとして登られていたが、人づてに広まり、さらに雑誌で課題が紹介されたことに伴って、毎週末広い駐車場がクライマーの車で埋まる状況が続いた。状況を知った総社市と地権者が、2013年 5月「遊歩道以外の開拓、進入禁止」及び「岩登り等に供する行為禁止」の立看板を設置。岩屋は御神体が奉られている山で、私有地であるが、市が遊歩道のみを借りて管理している場所。人が増えたことで、ボルダリングが行なわれていることを知った地権者の「登って欲しくない」という強い意向から、理解を得るのは困難な状況である。


岡山 備中・デッケン一帯

2002年9月、デッケンエリアの一部が国指定天然記念物のためクライミングをしないようにと、教育委員会からの要請があった。それを受け、登攀自粛が現在も続いている。TC-Net では再開に向けた活動を計画しているが、見通しについては不明。


備中・権現谷エリア

車道に面した特殊な立地で、過去にアクセス問題が発生したこともあるため、利用時は地元情報を参照し充分注意する。
http://takahashigawa-climb.net/iwaba_manner/gongen/


広島

慈眼寺

2003年4月、岩場にいたクライマーの頭部を落石が直撃し死亡する事故が発生。以降、住職により禁止された。


下帝釈峡の岩場

2009 年、下帝釈峡の岩場の地元町役場から「国定公園である下帝釈峡の岩場にロープやボルトを設置しているのは違法ではないか」との問い合わせあり。これを受けて、歩道から見えるフィックスやスリング類の撤去と終了点の交換および着色が、常連クライマー有志により行なわれた。現時点では、クライミングに対する規制はないが、一般的な岩場利用のルールを遵守すること。また、雑誌への掲載、SNSやブログなどでの安易な紹介は控える。