安全活動

クライマーの安全と岩場の健全な維持のため、事故を防ぐための知識や情報を提供します。

クライミング中の事故は、自分だけでなくパートナーや周辺住⺠など、多くの人に多大な影響を及ぼします。 事故防止のための知識や技術を、freefan、安全BOOK、ウェブコンテンツなどを通じてお伝えするほか、ボ ルトの見極めや、安全なスポットを学ぶ安全講習会などの開催も不定期で行なっています。
※イベントなどで安全講習会の開催をご希望の方はお問い合わせください。

クライミングの安全に関する技術に関する情報

8の字結びの基本
8の字
終了点の使い方
危険な支点・終了点あれこれ

※ これらの情報は、無料配布冊子「安全BOOK」にも掲載されています。

JFA安全講習会

フリークライミングのエリアとして一般に認知され、利用頻度が高く、またアンカー類の老朽化が進んでいるルートクライミ安全にクライミングを楽しむために必要な、ボルトの知識やスポット技術などを学べる安全講習を、不定期で開催しています。開催予定はウェブサイトやSNSで告知します。各地のグループなどで希望者を募り、人数がまとまれば、JFAから講師を派遣することもできます。詳細はお問い合わせください。

事故調査

クライミングに関する事故に関して、関係者からの情報や現場での検証も含めた事故調査を行なっています。
事故に遭われた方、目撃された方は、その状況に関する情報をJFAにお知らせください。
※お送りいただいた情報は、個人情報を除き安全ブックなどで掲載させていただく場合がございます。


OWN RISK(自己責任)の原則

クライミングは危険を伴うスポーツです

自己責任の原則

クライミングは危険を伴うスポーツです。充分に注意をしていても、事故が発生する可能性をゼロにすることはできず、時として最悪の結果を招くことがあります。
行動の結果が予測できない人や、予測はできても「自分は大丈夫」などと結果を受け入れられない人、完全な安全を求める人もクライミングをすべきではありません。
初めてでも、初級者でも、何年クライミングをやっていても、この原則は変わりません。ただし、経験者が初心者をクライミングに連れていく際は、このことを初心者に理解させ、判断させることが経験者の義務といえるでしょう。
クライミングは、起こりうる危険を理解し、それを了承した人だけが行なえるスポーツなのです。

岩場は危険な場所である

発表、未発表に関わらず、岩場の安全性は誰にも保証されていません。さまざまな危険を予測し、自らの安全を守る対策を取らなければなりません。

岩の欠損、崩落・崩壊など
岩には常に、欠損、崩落、崩壊などの可能性があります。実際に、ルートクライミングで、掴んだホールドが壊れて岩と一緒にフォールした例や、岩場で休憩中に落石を受け死亡した事故も発生しています。岩がもろいエリア、普段から自然落石の起こるエリアでは、常に充分な注意を払い、春先や雨後は、とくに落石が起こりやすいことも頭に入れておきましょう。状況に関わらず、常にヘルメットを被ることをおすすめします。

ボルダリングで落石の危険性は少ないものの、持ったホールドが破損し不安定な体勢でフォールすれば、大きなけがになりかねません。岩質や形状などを観察してできるだけ危険を回避し、いつ岩が壊れてもおかしくないと意識しておくことも必要でしょう。

自然災害や動物、害虫などの被害
自然環境に身を置く限り、落雷、突風、高波、地震などの災害のリスクは避けられません。熊などの動物や害虫などの被害もあるでしょう。河原のエリアでは、急な増水にも注意が必要です。事前に情報収集をし、それぞれのエリアの特性をよく理解して、注意と対策を心がけることが大切です。

ボルダリング

ルート

道具の不備や故障

すべてのクライマーは、目的に合った道具を正しく選び、自分の使う道具について、正しい使用法や管理の仕方などを学ぶ義務を負っています。知識の欠如は、自分だけでなく関係者をも危険にさらすことになります。
とくに、ビレイデバイスやナチュラルプロテクションに関する知識不足は、重大な被害に繋がります。どの製品にも、説明書などには使用方法、メンテナンス、製品の性質等について重要な説明が用意されているので、使用前に必ず目を通しておきましょう。理解できなければ、メーカー、ガイド、他のクライマーに聞くなど、積極的に正しい情報を集める努力も必要です。また、その情報を常にアップデートすることも忘れてはいけません。

ルート

ボルトなどの残地支点

岩場に設置されているボルトや終了点、その他の残置支点について、その時点での強度や信頼性は、誰にも保証されていません。安全性や使用の可否は、使用するクライマー1人1人が、自分で判断するものです。日本フリークライミング協会では、ボルトの打ち替えやルート整備などを行なっていますが、これらは、クライマーが安全確保をするためのサポートをすることが目的です。協会が行なう打替え事業には、高い強度を持つ製品を使用し、製造者によって指定された方法にできるだけ従って施工しますが、100%の安全を保証するものではありません。ボルトが抜けた、折れたなど、支点や終了点の崩壊事例が、少ない件数ではありますが発生しています。残置する人、使う人の双方が安全性を意識し、すべての残置支点は、必ず使用前にチェックすることは、ルートクライミングでもっとも重要なことのひとつです。自分が登っているときに支点が崩壊する可能性を、常に頭に置いておかなくてはなりません。

ルート

ルート、課題の選択

自分が登る課題を選ぶ際には、充分な安全マージンが必要と考えます。その課題に対して充分な実力がないと、登れないだけでなく、安全の確保が難しいことが多々あります。
ルートクライミングの場合、多くの場合課題を設定する人は、そのグレードよも高いレベルのクライマーです。設定者は安全にクリップできると考えていても、1本目、2本目のクリップができなければ、大きな事故につながる可能性があります。ボルダリングでも、核心がどこにあるか、岩やランディングのコンディション、課題は簡単でも完登後の下りが難しいなどの状況を確認し、リスクを事前にしっかりと認識する必要があります。
また、高グレード中心の岩場では、簡単なグレードの課題があまり登られず、岩やボルトの状態がよくないことも珍しくありません。単にグレードやトポのコメントだけで判断せず、課題の状況や、自分がそのルートに安全に取り付くことができるかを、自分の目で判断しなくてはなりません。判断力は経験で身につくものなので、なかなか難しい部分ではありますが、それも含めて、クライミングが危険な行為であることを、しっかりと意識しましょう。自分の能力とリスクを常に天秤にかけ客観的に判断することも、クライミングには必要な能力なのです。

ボルダリング

ルート

「クライマー優先」の原則

クライミングには、先に登っている人(すでに取り付いている人)に優先権があるという原則があります。ルートでもボルダリングでも、岩場でもジムでも、登っているクライマーに注意を払うのは、下にいる人の義務です。これは、登っている人に、下への注意を求めることが現実的ではないという理由からです。
この原則は、クライマーのフォールや、何かを落としたことなどが原因で、下にいる人がケガを負った場合でも、責任をクライマーに求めることはできないということを意味します。もちろん、クライマーが何をしてもいいわけではありませんが、クライマーは登ることで手一杯なのを認識し、下にいる人が落石や落下物を予測して、自分の居場所や行動を決めるべきだというのが、クライミングの基本的な考え方です。
ボルダリング、ルートクライミングとも、クライマーや作業者の落下範囲に入らないよう判断をし、ルートクライミングでは、登攀時以外にも(こそ!)ヘルメットの着用を強く推奨します。

ボルダリング

ルート

ビレイヤーとクライマーの関係性

ルートクライミングの登攀中、クライマーの命はビレイヤーに託されています。ビレイミスは重大な事故へつながるため、ビレイヤーは常に、ギア、ポジションなどで最善を尽くすべきです。
ルート下部でのフォールでは、最善なビレイを行なっていても、事故が発生することがあります。そのことを、ビレイヤー、クライマーの双方が、事前に理解し受け入れる必要があります。ビレイは信頼できる相手にしてもらうものであり、基本的にルートはパートナーと行くものです。技量の分からない人、知らない人にビレイを頼むことは、時に重大な事故につながることがあります。トライするルートの特性や、自分の技量、体格などを考慮して、ふさわしいビレイヤーを選ぶのも、クライマーに必要な技術だといえるのかもしれません。

ルート

「ボルダリングは手軽」なのか

多くの道具を必要としないボルダリングは、たしかに始めやすいかもしれませんが、手軽に始めやすいことと、危険が少ないことはイコールではありません。ルートではシステム化された安全確保技術が確立されていますが、ボルダリングは安全を担保できるものはボルダリングマットしかないのです。そして、捻挫や骨折など、着地の失敗による事故は、圧倒的にボルダリングで多く発生します。ボルダリングマットがあれば安心というわけではないことを心しておきましょう。
また、着地ミス以外にも、高い位置からの飛び降りによる、脊椎の骨折や腰部の損傷の事例も多く報告されています。マットがあっても、飛び降りること自体にリスクがあることを認識しておいて下さい。

ボルダリング

スポッターの役割

ボルダラーとの意思の疎通が充分にできていないと、フォールしたボルダラーに押しつぶされて、スポッターがケガをするケースがあります。とくに、ボルダラーより体格が小さい場合や、高さのある課題の場合は、スポッターの危険のほうがより大きくなります。ルートクライミングのビレイヤーとは違い、スポッターの役割はあくまでもボルダラーの着地を補助することであり、スポッターは自分の安全も確保しなければなりません。従って、ボルダラーはスポッターに対し、過度の期待や安全の保証を求めるべきではありません。もし、どうしても自分の安全の保証が必要なら、トップロープなど他のスタイルを選択すべきです。
また、ボルダリングマットを下にいる人が不用意に移動したことが原因で、大事故になったケースもあります。力のあるボルダラーは、登る前にどこにマットがあり、どこに落ちれば安全に着地できるかを考えて登り始めます。状況に応じてマットを移動することを、ボルダラーとスポッターの間で共有できていないのに、マットを動かすことはNG行為だということを理解しておきましょう。
そして、スポットもある意味ひとつの技術です。ボルダラーの挙動に対して常にどういうスポットが最善か、適宜考えながら行動してください。立って手を上げているだけの人はスポッターではありません

ボルダリング

保険(クライミングガード)

JFA会員が加入できる、クライミングおよび日常生活の事故に対応した傷害保険。

詳しくは取り扱い代理店セブンエーまで