後援:神奈川県教育員会、(財)神奈川県公園協会
協賛:アルテリア(ペツル)、キャラバン(ファイブテン)、ネルソンクライミングジャパン(マッドロック)、ハミックス(マムート)、ビッグロック、モンベル(レッドチリ)、ロストアロー(50音順)
上から順に、男子入賞者、女子入賞者、
準決勝の安間佐千、決勝の野口啓代
(撮影:北山真)
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神奈川県 秦野市 県立山岳スポーツセンター
'07年6月2〜3日
* 思えばちょうど10年前。広島で第11回ジャパンカップが、国体のポスト・イベントとして開催された。その前年の'96年の広島国体は日本独自のスピードが行われた最後の大会だったが、その会場となった三倉岳山麓の人工壁での開催だった。
* そして'97年の大阪国体から「登攀競技」は、「クライミング競技」と名を変えて曲がりなりにもリードに変わる。毎年各県に作られる壁を利用し、国体メモリアル大会としてジャパンカップを位置づけるという広島のやり方は、毎年開催地に腐心していた当時のクライミング委員会にとって、実にありがたい話だった。今でもジャパンカップの予算はそれなりに厳しいものだが、当時はさらに悲惨でJFAジャパンツアーの1戦に間借りしての開催という年も珍しくなかったのである。
* この形が定着してくれれば、とクライミング委員会は祈り、その翌年の大阪、そして神奈川と国体メモリアル大会としての開催が続いた。仮設で大会をおこなったところを除けば基本的にはこの形で昨年までは何とかやってくることができた。だが、国体に関する各自治体の経済情勢は年ごとに厳しさを増し、国体開催のために常設壁を設置するところは少なくなっている。昨年の兵庫にしても仮設での開催で、そのため今年のジャパンカップの受け皿は無くなってしまった。
* そこで発送の転換。仮設であっても国体の前後には壁があるわけで、その壁があるうちにそこでジャパンカップをやってしまえないか?と言うわけで、今年の開催地 秋田に打診したが準備不足もあって実現しなかった。さて代替地はと考えると、条件的には東京に近く屋内の壁を持つ埼玉がベストだが一昨年にリード、昨年はボルダー、そして秋にはワールドカップを控えて受け入れられる余地はない。今年、神奈川でジャパンカップが開催された裏にはそういう事情があったのである。
* さて来年は、大分国体の壁で国体リハーサル大会とからめての実施に向けて準備が進められている。これなら地元の理解さえ得られれば、仮設でも可能だ。さらにボルダー壁もあるので、日程調整さえできればボルダリングジャパンカップも可能かもしれない……などと言う皮算用もあるが、それはさておきこの方式が定着すればジャパンカップ会場は毎年確保できることになる。
* 何と言っても、20年を越える歴史を持つ大会は他にないし、ジャパンツアーが消滅した現在、全国規模のリード大会の数は少ない状況で、この大会が安定して開催されることの意味は極めて大きいのである。
(山本 和幸:日山協競技委員)