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第20回リード・ジャパンカップ 湯原温泉大会


湯原クライミングセンター

会場となった湯原クライミングセンター


男子優勝者

右から男子優勝 安間佐千、2位 茂垣敬太、3位 渡辺数馬。

女子優勝者

左から女子優勝 野口啓代、2位 田中亜貴、3位 遠藤由加

写真クリックで拡大画像が表示されます。

岡山県 真庭市 湯原クライミングセンター


'06年9月2〜3日


リザルト(PDF)

* リード・ジャパンカップはついに20年目を迎えた。廻り目平と不動沢で自然の岩場を会場として開かれた第1回から、さまざまな紆余曲折と試行錯誤があったにせよ、国内で最も歴史のある大会である。当初はUIAAのルールも現在のように整備されたものではなかったから、例えば悪名高い第3回大会での3秒保持ルール(3秒間以上保持しないとそのホールドの高度を認めない)など、今にしてみればクエスチョンマークがつく独自ルールがとられたこともあった。良いにつけ悪しきにつけ、ジャパンカップには日本のリード競技の歴史があると言えるだろう。

* その記念すべき第20回大会は、最近の慣例に従って前年度の国体開催地、岡山県真庭市の湯原温泉にある湯原クライミングセンターで開催された。こう言っては何だが、交通の便に恵まれたとはとても言えない(唯一、米子道のICは目の前にあるが)立地。この一帯は人口カバー率99%を謳うウイルコムの残り1%に属し、1本のアンテナもなくエッジも使えない――というのは全くの余談だが、そうした場所での開催にはたしてどれだけの選手が集まるか?と言うことが計画段階での問題だった。そこで、空港などと会場地の送迎バスを用意し、参加料も全国規模の大会としては異例の金額に設定された。その甲斐があって、男子は(ユース大会は別として)久々に予選が2ルートでの開催となる70数名、女子も30名近い人数の参加となった。

* 参加選手の顔ぶれも、女子は春の日本選手権の上位3名からは野口啓代のみと、やや寂しい印象があるものの、男子は世界ユースであのデビッド・ラマを抑えてユースAで優勝した安間佐千を筆頭に、今の日本のクライミングの中核を担う中堅、若手が顔をそろえ、ベテラン勢でも田中周平、青木文則、“大”ベテラン(失礼!!)ではけがのため欠場した篠崎喜信の穴を埋める形で奈木昌彦が出場。さらにメジャーな大会ではどうしても参加者が東日本に偏る傾向があるが、男女とも西日本からの参加者を多く迎えることができた。

* さて結果だが、男子が安間、女子が野口と、ともにユース世代が優勝となった。これは世界的な趨勢でもあり、ワールドユースでそれぞれ1位と2位を飾った余勢をかって、それぞれに一皮むけた観のある安定した登りで文句の無い優勝だった。以下、上位選手については極端な取りこぼしはそれほど見られず、個人の出来不出来、そしてまたルートとの相性といったことも含めた振幅の枠の中で、ほぼ順当な結果だろう。その中で女子の2位に入った田中亜貴の、身長のハンディをものともしないアグレッシブな登りが印象に残っている。

* さて今回の各ルートは、全体的に辛口だったようだ。これには色々な要因があるのだが、ひとつには前記のように開催地の交通の便の悪さがある。2日目の終了時刻がずれこめば、帰れない選手も出てくる。それに加え、最近の日山協主催の大会ではドーピング検査がおこなわれ、対象となった選手は検査終了まで帰れない。これらを考えれば、まずスーパーファイナルは避けねばならないし、2日目に勝ち残る選手数も規定のクォータに収まることが望ましい。と、なれば、カウントバックのことを考えても、各ラウンドで確実に順位がついている必要がある(予選が2ルート実施の場合でも、同じルートを登った選手はカウントバックの対象になる)。「予選は完登通過」などとは言っていられないのである。これは“さじ加減”が非常に難しい、という意味でルートセッターに対しても、大きな負担をかけてしまう。しかし開催地の問題は別としても、ドーピング検査はジャパンカップでは今後も必ずおこなわれる。「スーパーファイナルのいらないルート」は、今後の傾向として続く可能性があると考えていただきたい。

(山本 和幸:日山協クライミング常任委員)



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