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第10回 JOCジュニアオリンピックカップ

総合優勝の堀創(右)と梶山沙亜里(左)

総合優勝の堀創(右)と梶山沙亜里(左)

決勝ルートを登る堀創

決勝ルートを登る堀創

決勝ルートを登る梶山沙亜里

決勝ルートを登る梶山沙亜里

撮影:飯山 健治

※写真クリックで拡大画像が表示されます。

富山県 南砺市 桜ケ池クライミングセンター

'07年8月11〜13日

リザルト(PDF)
男子 / 女子 / アンダー・ユースB 男女/ キッズ

 8月11日から13日にかけて、第10回目となるJOCジュニアオリンピックカップが今年も富山県南砺市桜ヶ池クライミングセンターで開催された。南砺市(旧 城端町)での開催は7回目となる。

 今大会の参加者数は、男女全てをあわせて、214名。これだけの参加者を迎える背景としては、先年の国体山岳競技少年の部へのリード競技の導入にともなう、各都道府県の選手育成がまず挙げられるのだが、この1〜2年新しい傾向が見られるようになっている。それは、14歳からと言う国際大会の基準を下回る年齢層の増加である。

 以前も若年層の参加がなかったわけではないが、人数的には限られたものだった。それが国体対応とはまた別に、各地のクライミングジムで小中学生を対象とした(あるいは対象として含めた)スクール、コースが開設されるようになり、その中で育った子供達が積極的に参加するようになってきている。山口県など国体にフォーカスして小中学生を育成している県も含め、この年代がクライミング競技の中で一定の位置を確保しつつあることは否定できない。

 その一方で、大会運営という観点で見た場合、会場規模と日数の問題から1つの大会で扱いきれるカテゴリ数と参加者数には限界がある。現実問題としてこの会場規模と日程では、国際大会の基準である14歳以上に絞った場合でも、男女合わせて150名から200名の間が限界だろう。その下の年代を抱え込んで、それを別個のグループとして運営するのであれば、もう少し少ない数が適正である。はっきり言えば去年、今年の大会は、かなり無理をしている大会なのである。

 この大会の今後の課題は、参加者数の絞り込みにある。だが仮に都道府県代表とした場合、男女各年齢別グループから1名ずつに絞ったとして、最大は47都道府県×6名で現在の参加者数を上回ることになってしまう。現状では今年の場合で33都道府県で、全ての都道府県から参加しているわけではないが……。また現実問題として都道府県単位にせよブロック単位にせよ、予選を実施する余力のある山岳連盟/協会はほとんどないだろう。

 さて今回は安間佐千、野口啓代という、今最ものっている二人が中国でのワールドカップ参戦もあって欠場する中、誰がJOCクリスタルカップを手にするかが注目された。男子はやはり昨年の覇者 堀創、そして中原栄の二人。そして層としては最も充実しているユースB勢の羽鎌田直人、樋口純裕、新田龍海らがどこまで彼らに迫るかがポイントであった。 結果的には、準決勝で中原に首位を譲った堀が、決勝では安定感のある登りで終了点に迫る一方で、最後に登場した中原はまさかと言うミス。小ハング上の角状のホールドを一気に取りに行くムーブでフォールして7位に終わり、堀の連覇が決まった。ユースBは大会前の予想通りの活躍で、決勝進出者の半数――総合2位から5位を独占。中でも地元富山の橋場友祐の総合4位入賞は特筆すべきだろう。

 女子は一昨年総合優勝の梶山沙亜里が、他の選手を圧倒的に引き離して優勝。昨年優勝の門間希美は残念ながらルーフに入ったところでムーブを誤り6位。また5位に今年ユースBにあがったばかりの平井悠希が入ったものの、残る上位選手はジュニアとユースA。ユースの大会を見ていると、何年かに一度下克上的な世代交代が起こる。男子は今まさにその段階にあるが、女子のそれはもう少し先のようだ。

 さて次の世代を担うアンダーユースB。注目は女子。先の日本選手権で優勝した尾上彩、春のユース選手権でその尾上をスーパーファイナルで下した小田桃花の対決は小田が尾上を振り切って優勝。ちなみにアンダーユースBは、男女同じルートを使っているが、男子は完登で優勝した津守暁斗を除き小田の記録に及ばない。「男の子頑張れ」である。

(山本 和幸:日山協クライミング常任委員)


各年齢別グループ入賞者の集合写真

各年齢別グループ入賞者の集合写真



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