ルート、課題の選択
自分が登る課題を選ぶ際には、充分な安全マージンが必要と考えます。その課題に対して充分な実力がないと、登れないだけでなく、安全の確保が難しいことが多々あります。
ルートクライミングの場合、多くの場合課題を設定する人は、そのグレードよも高いレベルのクライマーです。設定者は安全にクリップできると考えていても、1本目、2本目のクリップができなければ、大きな事故につながる可能性があります。ボルダリングでも、核心がどこにあるか、岩やランディングのコンディション、課題は簡単でも完登後の下りが難しいなどの状況を確認し、リスクを事前にしっかりと認識する必要があります。
また、高グレード中心の岩場では、簡単なグレードの課題があまり登られず、岩やボルトの状態がよくないことも珍しくありません。単にグレードやトポのコメントだけで判断せず、課題の状況や、自分がそのルートに安全に取り付くことができるかを、自分の目で判断しなくてはなりません。判断力は経験で身につくものなので、なかなか難しい部分ではありますが、それも含めて、クライミングが危険な行為であることを、しっかりと意識しましょう。自分の能力とリスクを常に天秤にかけ客観的に判断することも、クライミングには必要な能力なのです。