主催: | 日本フリークライミング協会 |
後援: | 千葉県山岳連盟 |
協賛: | ヨシキスポーツ |
* 今年で、「学生選手権」時代から通算して第10回を迎えたユース選手権。本来ならば「10周年記念大会」とでも銘打って、盛大に開催したいところですが、昨今のコンペ(台所)事情はそれを許してくれませんでした。それどころか、このユース選手権の運営そのものを根本的に何とかしていかないと、今後の継続行けないところに来ていることを実感させられた――そんな大会でした。
* まず何と言っても参加者数。この大会の前身である「全日本学生フリークライミング選手権」の第1回('77年)を見てみましょう。参加者の中には岡野寛、松島暁人などという名前も見られるのですが、参加者数は男子が40名、女子に至っては4名(!)。それに対して今回は男子が90名、女子38名――男子は2倍以上、女子はざっと10倍です。 若年層のフリークラインミングをめぐる状況は、特にこの2〜3年で大きく変わってきています。2000年代前半は国体効果で、都道府県山岳連盟/協会レベルでの高校生の育成が進んだのですが、今はそれよりもさらに下の層が厚くなり、レベルも向上しています。
* 参加者数的には、もう1日での開催は限界が来ています。各年齢グループ別に見れば2ラウンドでも問題のない人数ではありますが、それぞれのグループから仮に6名程度が決勝進出としても、決勝は男女それぞれ約20人になります。時間的には、やはり厳しいでしょう。
* もし2日間で開催しようとすると、問題点は会場の確保です。予算がふんだんにあれば仮設もできますが、現状では既存の壁で競技に適したところを利用するしかありません。昔のようにクライミングジムを借りて、と言うのは営業との兼ね合いから厳しいですし、人数を考えてもこれだけの人数をこなせるキャパシティをもつジムは限られています。今回の会場は、壁は申し分ないのですが、何と言っても学校内の施設です。毎年毎年ご迷惑をおかけするのはためらわれます。
* スタッフの問題もあります。今回も地元=千葉の方々には、本当に交通費程度のみでお手伝いいただきました(ご協力いただいたみなさん、本当にありがとうございました)。しかし、純粋なボランティアには限界があります。仮にボランティアとしても、保証すべきものは保証しないと継続は難しいでしょう。典型はルートセッターです。国体は、運営役員はボランティアである、と言うことでルートセッターの日当が――少なくともその仕事に相応しい額は――まともな形では出ない、という状態が何年も続いています。でも仮に、あんなきつい仕事をボランティアでやれと言うとしたら、それはあまりに酷な話です。それ以外のスタッフにしても程度の違いはあっても同じ事が言えます。行き着くところは予算=金の話というのは生臭くていやなのですが、事実なので仕方ありません。
* 実はこのあたりの問題はユース選手権だけではありません。ほかの多くのコンペでも同じような問題を抱えているものがほとんどです。せっかくここまで育ったクライミング競技ですが、これからどうしていくのかが今、問われています。既に04年でジャパンツアーも行き詰まってしまいました。日本選手権もジャパンカップも、厳しい予算の中で毎年、開催地の確保に頭を悩ませているのが実情です。ジュニアオリンピックは幸い、予算的な裏付けもとれて当面の開催は保証されていますが、それ以外の大会はみな似たり寄ったり。運良くスポンサーが見つかればラッキーで、その開催はいつも綱渡りです。
* クライミングコンペの黎明期はバブルの末期。その中でコンペの基本的な形が作られた面があります。しかしその当時と今では、状況が大きく変わっています。いずれまたよい時代が来るのでしょうか?それとも・・・・・・ (Judge)
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男子ジュニア入賞者 | 女子ジュニア入賞者 |
男子ユースA入賞者 | 女子ユースA入賞者 |
男子ユースB入賞者 | 女子ユースB入賞者 |