スポッターの役割

ボルダラーとの意思の疎通が充分にできていないと、フォールしたボルダラーに押しつぶされて、スポッターがケガをするケースがあります。とくに、ボルダラーより体格が小さい場合や、高さのある課題の場合は、スポッターの危険のほうがより大きくなります。ルートクライミングのビレイヤーとは違い、スポッターの役割はあくまでもボルダラーの着地を補助することであり、スポッターは自分の安全も確保しなければなりません。従って、ボルダラーはスポッターに対し、過度の期待や安全の保証を求めるべきではありません。もし、どうしても自分の安全の保証が必要なら、トップロープなど他のスタイルを選択すべきです。
また、ボルダリングマットを下にいる人が不用意に移動したことが原因で、大事故になったケースもあります。力のあるボルダラーは、登る前にどこにマットがあり、どこに落ちれば安全に着地できるかを考えて登り始めます。状況に応じてマットを移動することを、ボルダラーとスポッターの間で共有できていないのに、マットを動かすことはNG行為だということを理解しておきましょう。
そして、スポットもある意味ひとつの技術です。ボルダラーの挙動に対して常にどういうスポットが最善か、適宜考えながら行動してください。立って手を上げているだけの人はスポッターではありません