日本フリークライミング協会
Your Own Risk 〜クライミングは自己責任で〜
日本フリークライミング協会では、クライミングについて次のように考えております。
● 自己責任が原則です
クライミングは危険を伴うスポーツです。たとえ、「ルール」を守っていても時として最悪の結果を招くことがあります。行動の結果が予測できない人や、予測できても、自分には受け入れられないと考える人は、クライミングをやるべきではありません。同様に、完全な安全を求める人は、クライミングを行うべきではありません。
● 岩場は危険
発表されているエリアでも、未発表のエリアでも、岩場の安全性は誰にも保障されておりません。岩には常に、欠損、崩落、崩壊、などの危険があります。

● ボルトなどの残置プロテクション
岩場に設置された、ボルトや終了点、その他の残置プロテクションについて、誰もその強度や信頼性について保証はしていません。使用可否の判断は全て、クライマーが行うものです。協会では、ボルト打ち換え事業などを行っていますが、これらは、少しでも現状を良くするためのものです。
● ルート選び
安全マージンを考えて、取り付くべきだと考えます。実力のある者にとっては、何の問題がないルートや課題でも、実力の低いものにとっては、危険なことは多々あります。また低グレードのルートは、よりレベルの高いクライマーによりボルトなどが設置されることが多いことは、知っておいたほうが良いでしょう。
● 登っている人が優先
先に登っている人(今取り付いている人)に優先権があります。ルートでもボルダーでも 岩場でもジムでも、たとえビレイやスポットであっても下にいる人は上(登っているクライマー)に注意すべきです。たとえ、クライマーが落ちたり何かを落として、下にいる自分に激突しても、クライマーに文句を言うことはこの原則に反します(登っている人が何をしてもいいという訳ではありません)。
● 道具に関する知識
全てのクライマーは、自分の使う道具に関しての正しい使用法や知識を学ぶ義務を負っています。その知識の欠如は、自分と関係者を危険な状況にさらします。
● リードクライマーへ


1本目および2本目などルートの出だしのクリップができないことは、致命的な事故につながる可能性があります。発表されているグレードだけでなく、自分の目でそのルートは安全に取り付けるかの確認をすべきです。また、ナチュラルプロテクションを使用する場合は、その知識も必須です。
● ビレイヤーへ
ビレイミスは重大な事故へつながります。ギア、ポジションなど最善を尽くすべきです。近年では「スポートルート用」を謳うビレイデバイスも見受けられます。この場合、UIAAの基準では支点強度が20KN保障されているルートでの使用を前提としています。日本にはこれに当てはまらないルートが多く存在すると考えられます。状況によっては、ベストなビレイを行っても事故が発生することがあります。ビレイヤーのみならず、クライマーもそのことを受け入れる必要があります。
● ボルダー
着地ミスのみならず、過度の飛び降りによる脊椎の骨折や、腰部の損傷が多く報告されています。飛び降りることは最小限に控え、またできる限りクラッシュパッドを使用したほうが良いと考えます。
● スポッター
ボルダラーとの意思の疎通が不十分だと、自分が押しつぶされて、怪我をしたりするケースがあります。また、クラッシュパッドを不用意に移動したことが原因で大事故になったケースもあります。
● クライミングジム
営業施設だからと言って、クライミングジムは決して100%安全な施設ではなく、そこにはジム固有の危険が潜んでいます。危険を伴うスポーツをすると了承した人だけに利用させているというのが多くのクライミング施設です。 それぞれの施設で定められた利用方法を守るとともに、特に次の点への注意が必要です。
- ホールドやパネルの欠損や回転
- ボルダーエリアでのマットの端や、隙間への着地
- 他の利用者との接触。